今月13日に北海道で起きたグループホーム火災を受けて奈良市消防局は3月15日から、市内のグループホームの立ち入り検査を開始した。18日は、「なら清寿苑」(奈良市田中町)を訪れ立ち入り検査を実施、防火意識の向上を訴えた。
検査は、防火管理面や防火設備の設置状況を調査し同種の火災を未然に防ぐことを目的に市内にあるグループホーム施設全78カ所を視察するもの。
当日は、同局の中央署員2人と予防課署員2人が施設長・杉本康子さんの案内でスプリンクラーや自動火災報知設備、屋内消火栓、避難経路などをチェックしたほか、入居者にも「火の用心してください」と呼びかけて回った。
杉本さんは「火災のニュースを知って、身の縮む思いだった。大切な命を預かっているので最善の防火環境を整えるようにしたい」と話す。
検査を行った奈良市消防局中央署の酒井孝師副署長は「認知症の方は災害時に弱い。管理者が防火意識を高めてもらえれば」と話した。同局予防課の中村輝安課長は「防火の指導、設備強化を訴えていきたい」とし、「早く見つけて早く消すことを強化し、人命だけは助ける体制を」と火災発生時の初動作の大切さを訴える。