奈良県立図書情報館(奈良市大安寺西)は4月9日、創立100周年を記念して、「図書館らしい奈良の発信」をコンセプトにした「読み歩き奈良の本」(140B)を出版した。
文学作品、映画をキーワードにして奈良を再発見するという趣旨の下、奈良にスポットを当てた作品として、「鹿男あをによし」(万城目学)、「まひるの月を追いかけて」(恩田陸)、「早春の旅」(志賀直哉)、「古寺巡礼」(和辻哲郎)、「殯(もがり)の森」「火垂(ほたる)」(監督=河瀨直美)を取り上げる。
本文をたどって作品のポイントとなるような場所を巡ることができるよう地図も掲載し、作者や監督の気持ちになって訪ね歩くことをテーマに編集した。そのほか、同館の千田稔館長が地元のカフェ店長と「奈良らしいとは?」をテーマに行った対談も収める。
同館スタッフの乾聰一郎さんは「持ち歩いて、奈良を歩きながら文学に触れることができる内容。ガイドブックではなく、探求本」とし、「地元の方にも改めて奈良を見直すことのできる本」と自信をみせる。
変形B5判、オールカラー100ページ。初版9,000部。価格は880円。