NPO法人「まほろば円舞会」に所属する「まほろば円舞会ダンス部」 の発表会と体験会が10月11日、「南コミュニティセンターせせらぎ 小ホール」(生駒市小瀬町18)で行われた。
例年、秋に奈良市の「なら100年会館 大ホール」でダンス・歌・音楽の祭典を主催する同会は、新型コロナ感染防止のため今年の「2020まほろば円舞会」開催を断念したが、ダンス好きのボランティアメンバーで構成するダンス部の発表会と体験会を行い来年の本公演に向けてPRすると共に団員のモチベーション向上につなげる。
この日は、既に開催が決まっている来年の「2021まほろば円舞会・暁月夜(あかつきづくよ) Moonlit Dawn ~額田王(ぬかたのおおきみ)物語~」の冒頭部分を披露した。同作品の原作は奥山永見古さん、脚本は大和美桜さん、振付はRumiko(ルミコ)さんが担当する。
記紀万葉ダンスファンタジーで、天平の美と華やかな西洋の美を融合させた創作衣装で舞う音楽劇。女優・大和美桜さんの歌の朗唱とナレーションがイメージをかき立て、さまざまなジャンルのダンス・音楽を織り交ぜ喜怒哀楽を表現する。
ストーリーは、近江の蒲生野(がもうの)で行われた古代宮廷行事「薬狩り」での出来事。額田王が歌った「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」(万葉集・巻一 二一番歌)をきっかけに人間模様が繰り広げられる。劇中、酒宴のシーンでは華やぎや喜びを女官らがベリーダンスで表したり、一転し天智天皇と弟・大海人皇子の争いのシーンではフラメンコの激しいステップ、殺陣(たて)や刀ダンスで怒りを表現したりした。
同会イメージガールで十市皇女(とおちのひめみこ)役の岡崎瞳さんは「例年と違い全員マスク着用でのパフォーマンス。目の使い方や一つ一つの繊細な動きをこれまで以上に大切にし団員たちみんなでがんばってきた」と振り返る。「小ホールならではの良さがあり、お客さまの表情がよく見え、いっしょに舞台を作り上げている感じがうれしかった」とほほ笑む。
体験会では、殺陣はGenki(ゲンキ)さん、フラメンコはRumikoさん、ベリーダンスはレイさんが講師を務めた。最後に団員らそれぞれが得意とするダンスや歌唱の披露も行った。
同NPO代表理事の上亟明(うえじょうあきら)さんは「壮大なストーリー『壬申(じんしん)の乱』へのくだりや、額田王の美しく凛(りん)とし、力強く生き抜いた女性のストーリーをどこまで表現できるか、本公演に向けて取り組んでいるので楽しみにしてもらえれば」と意気込む。
来年の「2021まほろば円舞会」は、「なら100年会館 大ホール」で2021年11月28日に開催する。チケット申し込みは同会ホームページで受け付ける。