![鹿の角きり(昨年の様子)](https://images.keizai.biz/nara_keizai/headline/1349325039_photo.jpg)
秋の伝統行事「鹿の角きり」が10月6日、春日大社境内の「鹿苑(ろくえん)角きり場」で始まる。
「鹿の角きり」は、発情期を迎えた雄鹿が角で町民に危害を加えたり、互いに突き合って死傷したりしないように1671年に始まったとされ、江戸時代から受け継がれている。
大切に伸ばした雄鹿のシンボルである角を切る、鹿にとっては「迷惑」なことかもしれないが、人と鹿が共生・共存するための最善の方法として、今日まで続く古都奈良ならではの伝統。
当日は、正午から安全祈願祭が営まれた後、12時30分から、はちまきに法被姿の勢子(せこ)が、「角きり場」へ3頭から4頭の角鹿を追い込み、「十字」と呼ばれる縄を張った捕獲器で捕らえてのこぎりで角を切っていく。勢子の勇壮な姿を見に、毎年全国から多くの人が訪れる。3日間で約50頭の角を切る。
行事では、古来の手法で奈良公園内に生息する一部の雄鹿の角を切り、そのほかの鹿は、奈良の鹿愛護会の職員が、8月中旬から翌年3月下旬ごろまで、例年約300頭を捕獲して切っている。同会では、「角鹿は、気性が荒く危険なので決して近づかないように」と呼び掛けている。
入場料は、大人=1,000円、小学生=500円。雨天中止。鹿がおびえてしまうためペットを連れての入場はできない。今月8日まで。