名勝に指定されている「依水園」(奈良市水門町、TEL0742-25-0781)内の寧楽美術館で1月7日、「平城遷都1300年記念・財団設立70周年名品展『木白と茶陶名品展』」が始まった。
今年3月で創立70周年を迎える同財団と、同祭を記念して開かれる同展示は、通年であれば、年1度の展示を前期の1・2、後期の1・2の計4回に分けて行う。今回は、奈良にゆかりのある陶工の奥田木白の作品を中心に39点を展示、うち初公開は1点。そのほか、江戸時代中期の俳人・画家の与謝蕪村作の屏風「青緑山水図」(江戸時代、縦158.5センチ×横364.8センチ)も展示する。
江戸時代末期から明治初期の陶工で、赤膚焼きを芸術性のある名陶として広く世に知らしめた奥田木白の作品「蝉飾付唐茄子型花器」(江戸時代末期)では、今にも飛び立ちそうなセミが表現されている。
同館の田代桂子副館長は「それぞれ優品といわれる品が集まっているので、庭と美術品を見て楽しんでもらえれば」と話す。
依水園は、明治期を代表する庭として1975(昭和50)年に国の名勝に指定された奈良市唯一の池泉回遊式庭園で、総面積は約4万坪。
同展は、前期1の展示は3月15日まで。前期2は3月24日~7月2日。3月1日~15日は、特別展示「重要文化財 亦復一楽帖(またまたいちらくじょう)田能村竹田(たのむらちくでん)筆」も開かれる。
開館時間は9時30分~16時30分(入館は16時まで)。入場料は、一般=650円、中高生=400円、小学生=250円。庭園への入園料込み。火曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)。