県営平城宮跡歴史公園は、シンボルである「復原遣唐使船」のオリジナル商品「遣唐使船スパイス」の販売を、12月20日に始めた。
平城京再生プロジェクトの佐藤基裕さんは「遣唐使船は奈良時代、唐の先進的な技術や文化を集めるため航海し『公の交易』を担う役目も果たした。コショウ、クローブ、シナモンなどの香辛料も含まれ、正倉院には御物として納められている」と話す。
同商品はスパイス専門家が、コリアンダー・クミン・ブラウンマスタード・ブラックペッパー・ジンジャー・フェネグリーク・カレーリーフ・ターメリック・シナモン・グローブを調合したもので、小麦粉・塩・添加物不使用の100%スパイス。「スタンダード」と「辛口」の2種類を用意。カレーに混ぜたり、サラダにかけたり、炒めものに使ったり、カレー粉としても使える。
当時新しい文化を学ぶため若者が唐で活動してきたように、若い世代の新しい感性でパッケージを作ってもらうため、地元の関西文化芸術高校へデザインを依頼した。校内コンテストを実施し最優秀賞に選ばれたデザイン専攻2年、久保山涼平さんのデザインが採用された。久保山さんは「遣唐使が長旅を経てスパイスを日本に伝えたというイメージと、遣唐使船がカレーの海を進むイメージを表現した」と話す。
佐藤さんは「新しい生活様式で『おうち時間』が増えている今、家庭で作るオリジナル料理に役立ててほしい」と話し、「シルクロードの終着点であり、多様な文化の集積地である奈良。スパイスの香りで思いをはせてみて」とほほ笑む。
50グラム入りで、価格は980円。「天平みつき館」(奈良市二条大路南4、TEL 0742-35-8201)のショップ「平城京 肆(いちくら)」で販売する。