障がい者福祉施設「iLife(アイライフ)工房東生駒」(生駒市東生駒2、TEL 0120-557-495)は、農業を営む企業「ワイモ」と連携し、草刈り作業を請け負う「草刈り新選組」を結成し、県内で4月からの依頼を募集している。
同施設は、知的・精神疾患を抱える障がい者が働く作業所で、「草刈り新選組」は農地・ソーラーパネル用地・耕作放棄地などの草刈りを請け負う。
同施設の障がい者就労支援仕事創り部長・丸田孝一さんは「障がい者の月給は全国平均1万6,000円で(厚労省のB型作業所データより)、慢性的に仕事が不足しており、障がい者にとって満足できる報酬ではない。この現状を少しでも改善したいと、仕事づくりの一環として考えた取り組み」と話す。「障がい者が作業を行うことに心配の声も頂くが、障がい者メンバーと現役農家スタッフのチームで作業し、仕上がりは『農家品質』を確保しているので安心してほしい」とも。
昨年10月~11月に試みたところ、草刈りシーズン終盤にもかかわらず、農家から6件の依頼があったという。作業した障がい者(40代男性)は「草刈りの仕事は正直ヘトヘトになるほど疲れるが、仕事である以上最後までやり抜く」「草刈り機の取り扱いは思っていた以上に難しく、慣れるまで時間がかかった。今年は指導スタッフの作業動作をよく観察し、昨年よりも上手に草を刈れるようになりたい」と意気込む。
同行した施設スタッフの岡伸二さんは「草刈り機を使いこなし現場で活躍できる障がい者メンバーは施設のみんなにとってヒーロー的な存在。依頼者に喜んでもらったり、自然と触れ合ったりすることで精神的にも安定し、日々の生活も前向きな姿勢が見られるようになった」とほほ笑む。
丸田さんは「障がい者にとって就労の確保は必須。草刈りに特化した専用機械も導入したので、より安全に多くの作業を行っていきたい」と話す。
料金は、機械が入る現場かなど条件により異なるが、100~300円/坪(出張費込み)。山間部など障がい者が立ち入り困難な現場は安全最優先のため相談の上、断る場合がある。