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一丁焼きたい焼き店「こたろう」台風被害で移転仮営業 街のにぎわいに一役

「いろんな人のおかげで今があります」とこたろうさん

「いろんな人のおかげで今があります」とこたろうさん

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 奈良市小太郎町の店舗が台風被害を受け営業を断念した一丁焼きたい焼き店「こたろう」がファンらの応援を受け、西寺林商店街にある 松原米穀店(奈良市西寺林町)の一角で仮営業を始めた。

一丁焼きのたい焼き

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 「一丁焼き」という昔ながらの鋳物の焼き型を使い、強火で一気にパリパリに仕上げる手法が特徴の同店。こだわりの製法に全国からわざわざ訪れるファンもいる。

 「こたろう」の名前の由来となった奈良市小太郎町に店を構えたのは2009年。廃屋同然だった築90年の町家を店主のこたろうさん(67)が自らの手で修理を繰り返し営業してきた。ところが今年の度重なる台風の影響を受け建物の傷みがひどくなり撤退を余儀なくされた。

 京都でも店を出していたこともあり、「これを機に奈良を離れ京都に店を構えようかと考えた」という。ところがそれを聞いた地元のこたろうファンらが「代わりの店舗を見つけるから奈良にずっと居てほしい」と心当りを探してくれたという。

 松原米穀店は数年前から配達の仕事だけにしたため、精米機などはあるが店舗内の大部分が空いていた。そこで、こたろうファンらが店主の松原さんに相談したところ、「こたろうさんがたい焼きを売ってくれたら街のいいにぎわいになる」と快諾してもらったという。

 10月から松原米穀店の店先で試験的に営業を始め、好調であれば本格移転する予定だ。

 こたろうさんは「いろんな人のおかげ。店先で焼いていると歩いている人が気軽に話しかけてくれるからしゃべってばっかりやけど」と笑顔を見せる。松原さんも「こたろう」の営業時間前にファンらが訪れた際には「もうちょっとしたら来はるわ。伝えとくわな」と対応するなどして、「久しぶりに活気が戻っていいね」と話す。

 全国から訪れるこたろうファンには情報が行き届かないままの移転となり、旧店舗の張り紙を見て新店舗を探して来ることも。ならまち散策を楽しむ観光客との交流も生まれ、街のにぎわいに一役買っている。

 営業時間は10時ごろから夕方まで(売り切れ次第終了)。

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