奈良・若草山で恒例山焼き-「今年はよく燃えた」景気回復に期待

若草山の山焼きで枯草に火を付ける、春日分団員ら

若草山の山焼きで枯草に火を付ける、春日分団員ら

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 若草山で1月23日、新春恒例行事の山焼きが行われ、古都奈良の夜空を焦がした。

平城遷都1300年祭を記念して例年の3倍、600発の花火が打ち上げられた (関連画像)

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 240年余り続く奈良の伝統行事を支えているのは地元の消防団だ。この日も奈良市消防団15分団から300人が参加、14のエリアに分かれて火を付けた。

 若草山の一重目の北側を担当したのは春日分団。同分団からは20人全員が参加。分団長の生駒正夫さんは30年にわたり参加してきたベテラン。年に1度の祭典で気持ちも高ぶっている様子で「花火を見るのも楽しみ」と笑顔を見せる。18時から平城遷都1300年を記念して、例年の3倍にあたる600発の花火が打ち上げられ、団員らは目の前に上がる花火に、携帯電話のカメラを向けるなど、談笑しながら花火を楽しんだ。

 花火が終わると、団員の表情も一変し緊張が走る。18時15分、柳生ラッパ隊のラッパの音色が山中に響き渡ると「けがのないように!」と気合いを入れ直し、一斉にたいまつで枯れ草に火を付けた。

 ふもとから横1列に火が付けられると、瞬く間に目の前に炎の壁が出来上がり、一面火の海と化した。昇竜のように激しく燃え上がる炎を前に、熱風が押し寄せる中、団員らは汗をぬぐい真剣なまなざしで炎の行方を見守る。

 西からの風に煽られて炎の波は数分で山を登った。団員らは熱気の残る急斜面を一歩一歩進み、焼け残った枯草に火を付けていく。その後、分団は担当エリアが消火したことを確認して下山。最終の確認を終えたころには22時を回っていた。

 43年間消防団員として山焼きに参加してきた黒文雄消防団長は「今回は特に良かった。平城遷都1300年の節目の年に全体かきれいによく燃えて観光客の方にも楽しんでもらえたのでは。これまでで一番印象に残った」と振り返る。山がよく燃えると景気がよくなると昔から伝えられていることから「今年は景気がよくなるのでは」と期待を込める。

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