奈良国立博物館(奈良市登大路町、TEL 050-5542-8600)で10月24日から開催される「御即位20周年記念『第61回正倉院展』」に先立ち23日、報道陣や関係者らに公開された。
今回は天皇陛下御即位20年を記念して、正倉院宝物を代表する名品66点を展示(うち12点が初出展)。皇后陛下がかかわられた復元模造宝物も展示するほか、例年より期間を3日間延長して開催する。
展示は、聖武天皇、光明皇后ゆかりの宝物をはじめ、遊戯具や武器、楽舞関係の宝物、年中行事の儀式具など、正倉院宝物の全体が概観できる内容。
主な展示は、光明皇后真筆で、天平16年の日付や「藤三娘」と、藤原不比等(ふじわらのふひと)の三女である光明皇后の署名も記され、皇后の筆跡を伝える貴重な宝物の「楽毅論」(がっきろん)。文房具や装飾品として使用された小刀「緑牙撥鏤把鞘御刀子(りょくげばちるつかさやのおんとうす)」は聖武天皇の座右の品の一つとされる。
その中でも注目を集めていたのは、13年ぶりの展示となるペルシア起源の四絃四柱琵琶「紫檀木画槽琵琶(したんもくがそうのびわ)」。表には狩猟宴絵図、裏面には華麗な木画が描かれており、宝庫を代表する木画とされている。そのほかにも、伎(ぎ)楽面の中で唯一女性を表した呉女(ごじょ)の三面なども展示する。
開館時間は9時~18時(金曜・土曜・日曜・祝日は19時まで)。入場料は、一般=1,000円、高・大学生=700円、小・中学生=400円。閉館1時間30分前から販売するオータムレイトは、一般=700円、高・大学生=500円、小・中学校生=200円。11月12日まで。最終日12日は、御即位20年を記念して入館が無料になる。