大安寺(奈良市大安寺)で1月23日、がん封じに御利益があるとされる竹筒で温めた笹酒(ささざけ)を振る舞う「光仁会(こうにんえ)・笹酒祭り」が営まれ、無病息災を祈願する多くの参拝者でにぎわった。
奈良時代に光仁天皇が、同寺の竹で酒を飲み、長寿を保ったことに由来する新春恒例行事で、光仁天皇の命日に行われている。
あでやかな晴れ着姿で酒を注ぐ「笹娘」は、藤影きもの専門学校(西大寺新田町)の生徒20人。長さ約1メートルの竹筒をたき火で温ため、竹の香りがほのかに漂う酒を口にして参拝者は頬を赤らめた。
20年ほど前から毎年訪れているという東大阪市の女性(84)は「おいしかった。(笹酒で)健康を保っている」と笑顔を見せた。