切り絵作家の石賀直之さん(36)の作品展が現在、複合施設「EVANS KINGDOM」(奈良市三条町、TEL 0742-25-4873)で開かれている。
奈良市で生まれ育った石賀さんは平日の昼は薬剤師として働きつつ、夜や休日は切り絵制作に没頭している。奈良の自然や歴史をベースにした鳥や花のデザインが多く、描きたい時にペンを走らせ、フィーリングで次の線を描き足していくという。
国内外での個展やワークショップ活動を行い、2019年の「Discover the one Japanese Art 2019 in London 人気アーティスト賞」をはじめ多くの受賞歴を持つ。
今回のテーマは「静寂の奏(かなで)」。葛城のハス池の夕方の風景の中に「金色の鳥」が舞うように表現したという「降臨」など写真と切り絵のコラボの新作も含めた50点を展示する。訪れた女性は「繊細で美しい表現が魅力」と見入っていた。
石賀さんは「私にとって切り絵は普段の生活に差す陽光の様なもの。目の前の線に集中しナイフに意識を注ぐことですがすがしい時間が流れるように感じる。作品を見て、心に安らぎを感じてもらえたら」と思いを込める。
開催時間は10時~21時(最終日は18時まで)。7月4日まで。入場無料。