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奈良で「建設職人コンテスト」 コロナ禍でもオンラインで業界と職人の魅力発信

会場のエンディングの様子。MC・審査員・運営委員会メンバー

会場のエンディングの様子。MC・審査員・運営委員会メンバー

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 「建設職人RED CARPET オンラインイベント」が5月16日、ライブハウス「Billy‐THE LIVE‐」(奈良市下三条町2)で行われた。主催は「未来建設プロジェクト」。

優勝したコンテスト出場メンバー

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 建設現場で働く人にスポットを当て、建設業界を盛り上げようと初企画した同イベント。全国からリモート参加した27組の出場者が実演などでプレゼンテーションし、視聴者と審査員の投票で各賞を選んだ。

 コンテストは、「こだわりトラック営業カーコンテスト」「工事現場に咲く一輪の花!女性職人コンテスト」「仲良し親子ユニフォームコンテスト」の3部門を設けた。

 当日は、女性左官職人による左官実演、消防設備や塗料の知識トーク、工夫を凝らした車で知名度が上がったエピソードなどを展開。審査員たちは画面を見入ったり斬新なアイデアに驚いたりし、活発な意見交換もあった。

 親子部門では、父の片腕となって働く息子との出演や、1歳の女の子と父のペア作業着姿に視聴者から「ほほ笑ましい」などのコメントが寄せられた。

 審査員は、一般社団法人GCU理事長で「中村建設」社長の中村英俊さん、一般社団法人「建設職人甲子園」専務理事で「大和」社長の吉岡優輝さん、「ジャパン・ライフ・パートナーズ」社長の稲田敏博さん、建設系ユーチューバーの「オヤカタくん」さんが務めた。

 「こだわりトラック営業カーコンテスト」の優勝者は「HIRO工務店」(神奈川県)社長の高橋博之さん。高橋さんは「楽しく仕事がしたいので軽トラではなく大好きなジープを使っている。小田原から横浜まで材木を運んだりしている」と話す。 

 「工事現場に咲く一輪の花!女性職人コンテスト」優勝者は「Ura Banashi」(東京都)の川浦安祐子さん。大学で建築設計を学んだが、現場が好き過ぎて職人を束ねる現場監督になったという川浦さんは「きつい・汚い・危険の3Kばかりが先行しているが、知られていない建設業の魅力を伝えて業界を明るくしていきたい。建設業と若者をつなぐ活動に力を注いでいる」と目を輝かせる。

 「仲良し親子ユニフォームコンテスト」優勝者は「建輝工業」(奈良県)の鳶(とび)職人・坂田来輝さん。坂田さんは「仕事に行くと分かると、行かないでと愛想(あお)ちゃん(1)が号泣する。作業着姿の娘は町の人からもかわいいと言われメロメロ」とほほ笑む。

 「インパクト賞」受賞者は「メガステップ」(東京都)の左官職人・鬼澤(きざわ)初音さん。鬼澤さんは「昔、女性職人を見てかっこいいと思った。左官をきわめたい」と意気込む。

 「総合グランプリ」受賞は、電気設備会社「中村電設工業」(埼玉県)齋藤里奈さん・高所作業車「キリンさん号」。齋藤さんは「会社のイメージチェンジを狙いキリンのデザインにした。地域の子どもたちに人気で認知度が上がった。作業中でも安心感につながり、作業に興味を持ってもらうきっかけになった」と話す。

 運営委員代表で屋根修繕などを手掛ける「森建築板金工業」社長の森亮介さんは「コロナ禍でもオンラインで全国の人とつながることができて会場運営は少人数で開催できた。建設業は人手不足や職人の地位向上問題がある。初めての試みだったが、一つ動いたことにより建設業の明るい未来が見えた。これからも続けていきたい」と話す。

 「次回は内容を端的にして、1年目の職人ががんばっている姿や、その後の成長を応援するなどの企画で職人にスポットを当てて魅力を伝えていきたい」とも。

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