奈良市学園大和町(だいわちょう)で「こどもの日」の5月5日、青年団らによりマルシェ「Big FREE STYLEな春祭り」が開催された。町内外から縁日・飲食・物販・体験ブースなど23店が出店し、多くの親子連れらでにぎわった。
毎月第1月曜、町内の店舗や駐車場で開催しているマルシェ「FREE STYLE」を毎年1回、規模を拡大して「貴ヶ丘クリニックヤード」第二駐車場で開催している。今年で4回目となり、毎回約1000人が来場する。学園大和町5丁目自治会のフリーマーケットと同日開催することで、会場が近いこともあり来場者が行き来し相乗効果もあるという。
同町では青年団が街の活性化に積極的に取り組んでおり、この祭りを立ち上げたり、夏には30年前に少子化で途絶えたという夏祭りを復活させたりしている。「FREE STYLE」代表で青年団の立ち上げメンバーでもある美容室店主の佐田雅彦さん(40)は「この街は若い家族世帯は増加しているが、自治会は高齢化が進み、新しいことをするには負担が大きいので青年団を結成し街の活性化に取り組んでいる。子どもたちが楽しく育ち、住みたい街であり続けてほしい」と話す。
「13年ほど前に街の中心部にあったスーパーマーケットが店を閉め、周辺の商店も閉店し始め、街に以前のような活気が無くなっていった」と振り返る。「少し車を走らせると大型スーパーがあり買い物は全て賄えることから、地元の商店に行く人が減り、商売をする人も減り、今では10店舗の空きがある」とも。
「地元のスーパーでちょくちょく顔を合わせ、お互いに声を掛け合っていたような交流を『FREE STYLE』を定期的に開催することで住民同士のつながりを持ってほしい。『FREE STYLE』への出店や参加をきっかけに、この街の良さを知ってもらい、空き店舗での商売につなげてもらえれば」と意気込みを見せる。
毎月「FREE STYLE」に大阪・太子町から出店している自然栽培の食品を扱う橘さんは「この祭りには初めて出店した。いつもは静かな街だが、こんなにたくさんの人が集まって来て驚いた」と話し、毎年「当てもの」を出店する澤田さんと小林さんは「子どもたちを楽しませたい思いで参加している。子どもたちの笑顔が利益」とほほ笑む。
佐田さんは「このようなイベントを長く続けていけば街ににぎわいと交流が増え、もっといい街になる。この街で何かやってみたい人を増やしたい。相談に乗るので気軽に問い合わせしてほしい」と呼び掛ける。