東大寺境内にある「奈良親子レスパイトハウス」(奈良市雑司町)で3月30日・31日、「奈良親子レスパイト慈善作品展」が行われた。
「重い障がいを持った子どもたちとその家族・兄弟を奈良に招き、一緒に楽しい時間を過ごそう」という同プロジェクト。
この取り組みを知ってもらうため、地元作家らの作品を展示しているギャラリー「五風舎(ごふうしゃ)」の協力でこれまでも作品展を開いており、ガラス、漆、陶器、木工、陶器、染織などの作家が趣旨に賛同し参加してきた。開催は今回で3回目。収益金は同施設の寄付金に充てられる。
運営する東大寺福祉療育病院の富和(とみわ)清隆院長は「活動費寄付も目的の一つだが、医療や福祉とは関係なく、美しいものを大事にしたい人が来て活動を知ってもらえる。大変だけど、みんな明るくやっていることを感じてほしい」と話す。
出展したガラス作家の川北成彦さんは「ここの趣旨は心の温かさを感じゆっくりしてもらう場。自分の作品も使う人にホッとする時間を感じてもらいたいという思いを込め制作しているので、役立ててもらえるならうれしい」と話す。
「ガラス面が大部分を占め、暖かい光があふれるキッチンサロンと、古い建具を通して入る光が優しい和室の会場。それぞれの作家の作品の良さを引き立ててくれる」とも。
五風舎の山本早苗さんは「『ハウスの活動と場を少しでも知ってほしい』という富和院長の思いに共感し、作家を紹介したり展示の準備をしたりしている。作家の発表の機会にもなっていて、これからもできることで応援したい」と話す。