芸術作家の育成などを行う「芸育ディレクター」のやまもとあつしさんがツイッター上で奈良の空を写した画像のアップを呼びかけ、始めた2月からこれまでに約500件の投稿があるなど広がりを見せている。
やまもとさんは2008年、「まちをアートでいっぱいに」をコンセプトにした「アート・アラウンド奈良」を設立。2009年からは、芸育ディレクターとして新人作家の発掘などを行っている。
昨年、平城遷都1300年祭で盛り上がった奈良で多くの人が地域活性化など活動を行っていたが、個々で活動する団体や人の点と点を結ぶ役目になれればと「ならそら実行委員会」を今年2月に立ち上げた。「みんな奈良を好きでやっている。つながりを見せることができれば面白いのでは」
「人と人」「人と物」などつながりをテーマにしている同会。ツイッター上で奈良の空の写真をアップしている人が多かったことから、「まずはこれをつなごうと思った」と話す。写真の発表の場にもなればと、2月22日の40歳の誕生日に合わせてツイッターアカウントを取得。ハッシュタグ「#nara_sora」を付けて奈良の空の画像投稿を呼びかけたところ、一夜で約40件もの投稿があったという。
そうした中、3月11日に東日本大震災が発生した。その時は止まっていた投稿も、「みんなつながっているんだ」とのメッセージを空の写真に託し、あらためて投稿を呼びかけたところ、多くの写真が投稿され「奈良に行きたくなった」「暗い話題ばかりでふさぎ込んでいたが明るくなれた」などのつぶやきも寄せられた。
奈良の空について、やまもとさんは「高い建物がなく、空が開けている。全てを包みこんでくれているような優しさがある」と話す。