なら町長屋が運営する手ぬぐい専門店「朱鳥」(奈良市橋本町、TEL 0742-22-1991)の手ぬぐいが、奈良の新しい土産物として人気を集めている。
同店は、ただの観光土産ではなく長く使ってもらえるもので、かさばらず軽く、ひんやりとして乾きやすく、さまざまな用途に使える手ぬぐいに着目し「手ぬぐい専門店」として2003年にオープンした。
同店の手ぬぐいは、きめの細かい上質の綿生地を使用して注染と呼ばれる伝統的な技法で職人の手で染められているのが特徴。昨年は、一升瓶を風呂敷で包むところからヒントを得て開発した巾着の「花しょうぶシリーズ」が「2008ならグッドデザイン賞」を受賞した。
現在は、さまざまメディアで紹介されたこともあって知名度も上がり、創業当時に比べると売り上げは7~8倍になったという。これまでは、奈良に来てもらいたいとの思いから同店でのみ販売していたが、今年からは奈良を知ってもらうきっかけになるのではと卸売りも始めた。客層は、観光客はもちろん、地元の人がギフトやお祝いなどに利用することも多いという。
手ぬぐいは大(90×36センチ)と小(45×36センチ)の2種類で、色違いを含めれば100種類以上に及ぶ。売れ筋は、鹿をモチーフにした「飛火野」(1,575円)や筆をあしらった「奈良筆」(1,575円)、仁王像をデザインした「仁王像」(2,100)など。黒猫とトランプをあしらったモダン調の黒猫(1,890円)も修学旅行生や若い女性を中心に支持を得ているほか、手ぬぐいを使ったセミオーダーのオリジナルのスニーカーも人気を集めている。
同社の湯脇智子社長は「世界に奈良をアピールしたい。今後は奈良県全域を考えてデザインに反映したい」と話す。
営業時間は、10時~21時。