奈良・薬師寺で春の伝統行事「花会式」始まる

薬師寺で始まった「花会式」の「初夜の行」

薬師寺で始まった「花会式」の「初夜の行」

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 奈良市西ノ京町の薬師寺で3月30日、奈良県を代表する春の伝統行事「花会式(はなえしき)」が始まった。10人の僧侶が7日間にわたり、俗塵(ぞくじん)を絶って厳しい修行を行う。4月5日まで。

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 花会式は古くは修二会として行われてきたが、1107年に当時の堀河天皇が皇后の病気平癒を薬師如来に祈願したところ、霊験を得て回復したことから、皇后が感謝の心を梅、桃、桜、山吹、椿、牡丹、藤、百合、杜若、菊の10種類の造花を毎年「修二会」に献上したことで花会式と呼ばれるようになったと言われる。以来途絶えることなく続く伝統行事。期間中は1日約5,000人の参拝者が訪れる。

 同日13時からは、日中・日没の法要の後、「マリコ・マリンバスタジオ」によるマリンバの奉納演奏や稚児行列が行われ、参拝者らは国宝の西塔、東塔を横目にマリンバの演奏に聴き入った。

 法要は1日6回、練行衆と呼ばれる10人の僧侶が、3月30日から不眠不休で営み、金堂内に薬師如来の前ですべでの罪過を改め国家繁栄、万民豊楽などを祈願する。

 19時からは、厳かに初夜の行が執り行われた。練行衆が「声明」という絶叫するように大きな声を張り上げる節のある独特の読経を行う。途中、堂内の明かりが消え、ほら貝と、太鼓、鐘がけたたましく鳴り響く中、両手に剣を持った「咒師(しゅし)」が堂内を走り回り、天地の邪悪なものを切り裂き内陣の結界を作り清める作法もあり、参拝者らは荘厳な世界に見入った。

 期間中、舞楽などの奉納や稚児行列が行われるほか、最終日の20時30分からは「鬼追い式」が営まれる。4月5日まで。

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