薬師寺(奈良市西ノ京町)で12月29日、仏像の一年分のほこりを払う年末恒例行事「お身拭い」が行われ、仏様も輝きを取り戻して迎春準備が整った。
当時は金堂で13時すぎから約400人の参拝者が見守る中、山田法胤(ほういん)管主らが仏像の魂を抜く法要を営んだ後、僧侶がはしごに上り清巾(じょうきん)と呼ばれる手ぬぐいで本尊の薬師三尊像(国宝、薬師如来像・日光菩薩像・月光菩薩像)のほこりを払った。
お供え用の餅を蒸す時に使用した水を含ませて顔から隅々まで丁寧に拭き上げると15分ほどで銅製の仏像はつやを取り戻し、まばゆく輝いた。
神奈川県から訪れた会田隆さん(67)、忠子さん(67)夫妻は「仏像を抜いた布が真っ黒になっていてしっかりと清められていると感じた。来年も健康で、趣味を達成できることを祈った」と話していた。
その後、同寺に安置している聖観世音菩薩像(しょうかんのんぼさつ、国宝)などの仏像も同様にほこりが払われた。