大和郡山のホールで昨年から開かれている映画上映会が、年配客を中心に人気を集めている。
9月22日は、やまと郡山城ホール(大和郡山市)で脱北を描いた韓国映画の上映があり、9時45分からの1回目の上映時には平日にもかかわらず開演を待つ人らで行列ができ、定員325人のホールはほぼ満員の盛況ぶりだった。
企画運営を行うのはアイ・プランニング(香芝市、TEL0745-77-8236)の大塚聡さん。同所で「サロンシネマ」として運営する定期上映会は、無料の会員登録をすることで、上映の案内が封書で届くほか、来場ごとに押されるスタンプが5個たまれば1回無料の特典が付く。
サロンシネマは3年前に「身近なホールで気軽に見てもらおう」と大阪府河内長野市で始めた。現在、約1,000人の会員を抱え2カ月に1回のペースで上映会を開いている。奈良では、立地などから同ホールに目をつけ、昨年6月から上映を行い、順調に会員数を伸ばし現在は約700人が登録している。当初は3カ月に1度の開催だったが、会員からの要望で2カ月に1度になった。
この道33年のベテランの感性で、「泣ける映画を中心に選んでいる」(大塚さん)という同上映会。ホール映画の魅力は、感動を共有できることや、迫力ある大スクリーンや音響のほか、客同士の交流の場になることだという。
ターゲットは「市外のシネコンに足を運ばない」「DVDなどをあまりレンタルしない」などの年配層に絞っている。それにより、会場のレンタル料が安い平日での開催でも安定した来場がある。
この日は3回の上映で約400人を集客したが、これは最低ライン。大塚さんは「字幕が受け入れられなかったのでは」と分析する。これまでの最多来場記録は「おくりびと」で、1日に1,200人が詰めかけた。
「気持ち良く映画を楽しんでもらえるように、人に優しい上映を目指している」と大塚さん。チケットを忘れた人への入場許可や、チケットを買ったにもかかわらず体調不良などで来ることのできなかった人に対しては次回上映に振り替えるなど、細やかな心配りも忘れない。
同ホールでの次回開催は11月25日を予定。