平城遷都1300年記念事業協会は9月22日、平城遷都1300年祭の平城宮跡会場で10月9日から始まる「平城京フェア」の概要を発表し、古代行事で使用する天平衣装を公開した。同フェアが終わる11月7日で平城宮跡会場でのイベントは終了する。
当時の人が平城京で何をしていたかわかるようにと、同フェアでは節句ごとに行われていたとされる6つの儀礼や行事を再現したイベントを中心に展開するほか、宮内庁雅楽や葉加瀬太郎さん、谷村新司さんなどがコンサートを行う「大極殿音絵巻」、会場内の東院庭園を舞台に生楽器のコンサートなどで平城京期の宴の雰囲気を味わうことのできる「東院庭園音絵巻」を予定する。
10月10日12時からは、相撲発祥の地、奈良にちなみ、当時の天皇が全国から力自慢を集めて宮中で相撲を観覧したといわれる「相撲節会(すまいのせちえ)」を再現、加えて浪曲師の国本武春さんが語りで解説を行う。
弓馬術礼法小笠原教場の協力で、当時の1月17日に全官人が参加して行われていた国家儀礼の弓を射る「射礼(じゃらい)」(10月24日10時30分~)と、馬に乗り弓を射る「騎射(うまゆみ)」(10月31日、11時~)も行われる。平城宮跡を馬が走るのは初めて。
11月6日11時~・14時~は、貴族の遊びとして平安時代に伝わった「蹴鞠(けまり)」を飛鳥・奈良・平安と時代ごとに紹介し実演。その後、元サッカー日本代表の柳本啓成さんをゲストに招き、参加希望者とともに蹴鞠を体験する。
大極殿前では期間中毎日、古代衣装をまとったパフォーマーが、ジャグリングや風船パフォーマンスなどの大道芸を披露する「平成散楽(へいせいさんがく)」が行われる。
そのほか、東院庭園では音官人・女官らが、池のほとりで詩を詠む様子や舞楽などを披露し当時の宴を再現する「曲水の宴(ごくすいのえん)」(10月9日・11日・16日・17日・23日・30日、11月3日)などが行われる。
中でも注目を集めるのが、東院庭園広場で行われる「天平茶会」。美風流・四世家元の協力で、中国の唐の時代に陸羽(りくう)が茶の知識をまとめた「茶経」を基に、茶はもとより道具や茶碗まで再現した天平茶を提供する。天平茶は、分量を確保するため団茶の製法に多少のアレンジが加えられているものの、味、香りなど現代の茶とは違い、強い香りや独特の味わいが特徴。価格は、古代チーズの蘇(そ)などが付いて500円。