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奈良で「奈良漢方モノコト市」 「漢方に楽しく出会う」コンセプトに

薬木「キハダ」の苗を手にする出店者と参加者

薬木「キハダ」の苗を手にする出店者と参加者

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 「奈良漢方モノコト市」が3月4日~6日、コワーキングスペース「BONCHI」(奈良市橋本町)で開催された。主催は奈良県。

ワークショップの様子

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 「漢方に楽しく出会う」をコンセプトに、奈良に古くからゆかりの深い薬用作物を使った食品や雑貨などを扱う計11店の販売会、トークイベント、ワークショップを行った。

 トークイベントでは、鹿の角・墨・染め物・鐘の音・春日の山並みなど、漢方の世界観で浮かび上がる土地の豊かさについて漢方文化論「漢方風土記 奈良編」を漢方家の杉本格朗さん、国際中医薬膳管理師の吉田奈麻さんが「気軽に漢方と暮らす『すこやかハーブ 大和当帰』」について話した。

 ワークショップでは、漢方の草花の効能と香りを自由にブレンドして作る入浴剤や、数種類のハーブで作るにおい袋、漢方の原料となるオウバクの芯材を使った天然木「キハダ」のスプーン作りが行われた。

 薬の町として知られる高市郡高取町で大和当帰やキハダなどの薬草栽培や商品作りに取り組む出店者の「ポニーの里ファーム」保科政秀さんは「生薬のことを前から知っている人だけでなく、たまたま立ち寄った人にもPRできた。複数の業種が集まって開催すると、お客さんがさまざまな漢方に接するきっかけが多くなるので良い。先人が大切にしてきた歴史ある分野なので、未来にしっかりつないでいけるように取り組んでいきたい」と意欲を見せる。

 大阪から参加した30代女性は「自然素材や体に優しい商品は奈良製の注目度が高く、最近体質が変わり気になっていた」と話す。

 奈良の薬膳料理に興味があり、福岡から料理教室に通っているという50代女性は「主人の体調を整えるために薬膳や生薬を生活に取り入れている。奈良の魅力は『すぐそばにある漢方』、先人の知恵や文化も専門知識と共に知る機会を期待している」と話す。

 県産業政策課主査の島悠太さんは「生薬の生産拡大や関連商品のサービス創出など、部局を越えて取り組んでいるプロジェクトが10年目を迎えた。健康志向、高齢化、新型コロナ禍という背景もあり健康維持への関心が高まっている。暮らしにちょっと良いヒントを提案するきっかけ作りと共に奈良の生薬文化をさらに広めていきたい」と意欲を見せる。

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