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奈良・飲食店と大学生がコラボし「映えメニュー」販売、コロナ禍の双方の課題解決へ

新メニュー「ふわとろ淡雪 天白飯」

新メニュー「ふわとろ淡雪 天白飯」

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 大学生と飲食店のコラボ企画「映えメニューを開発するプロジェクト」で生まれた新メニューの提供が、中華料理店「チャイナダイニング飛天」(奈良市東向南町、TEL 0742‐26‐1777)で3月22日に始まった。

昨年の試食会。「編集奈良 学生プロジェクト」メンバーら

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 主催は地域活性化をコンセプトとする「編集奈良 学生プロジェクト」。学生が奈良と自身の大学生活をもっと面白くすることを目指して活動している。今回の企画は、新型コロナ禍で客が減った飲食店と、学生同士の交流機会が少なくなった大学生双方の問題解決に取り組み、中華料理メニューを考案し販売にも関わる。

 昨年9月に同店で料理長、主任、大学生らが初めての企画会議を行い、その後オンラインでの打ち合わせや試食会を重ね完成させた。新メニューは「ふわとろ淡雪 天白飯(てんはくはん)」(1,210円)。ミルク入りの卵白を炒め、エビ・ホタテ貝柱・トビコのあんと卵黄をご飯にのせた。

 訪れた女性客は「料理の白さが魅力的で、器の深く鮮やかな色とフォルムに強いインパクトを感じ注文した。味も良く、見た目と共にトータルで計算されていて全てのバランスが良かった。小サイズもあれば他の料理との組み合わせも楽しみたい」とほほ笑む。

 考案した同プロジェクトのリーダーで奈良女子大学生の杉堀愛璃さんは「理想を込めて描いた絵がメニューとして実現してうれしい。『まだ誰も食べたことがない天津飯』という感じに仕上がっているので、多くの人に食べに来てもらえれば」と呼びかける。

 主任の灰藤茂祐さんは「当店一番人気メニューを目指したいので、お客さまの感想に耳を傾けていきたい。しっかりと販売して結果を出すことで学生らに成果を実感してもらいたい」と意気込む。

 同店を経営する「飛天」社長の中山曜誠さんは「この企画は若い社員や学生たちに全て任せてみようと賛同した。『映えメニュー』とはいえ、奇をてらったものでなく中華料理の基本や良いところを大切にした上で、学生らも注文しやすい価格や満足感も考慮し、麺飯類でのアレンジとした。中華料理の卵白料理を取り入れ、白さが映えるように工夫し、器の色や形にこだわった」と話す。

 「学生が考えた料理名は、固定観念がないので料理人の私たちとは違う角度から出てきて、長い名前に驚いたり、語呂が良いものなどセンスを感じたりした。自分たちの考えで完成させたことが良い刺激になったようで、積極的にアピールする姿が印象的だった。若い人の価値や感覚を大事にしていくことがこれからのビジネスに求められる」と話す。

 「編集奈良」代表の高松明弘さんは「奈良には個性的でおいしいと評判の飲食店がたくさんある。学生によるメニュー開発や店舗PRなど、若者が地域で活躍する機会を今後もつくっていきたい」と意欲を見せる。

 注文客にソフトドリンク1杯を無料で提供する。営業時間は、ランチ=11時~15時30分(土曜・日曜・祝日は17時まで)、ディナー=17時~21時30分。

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