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奈良のスーパーで小学校生の「福祉新聞」展示 コロナ禍で使用中止の休憩所活用

コロナ禍で椅子が取り払われ使用をやめていたスーパーの一角にある休憩所「くつろぎスペース」。80枚の「福祉新聞」が展示されている

コロナ禍で椅子が取り払われ使用をやめていたスーパーの一角にある休憩所「くつろぎスペース」。80枚の「福祉新聞」が展示されている

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 市立富雄南小学校の児童らが作った「福祉新聞」が現在、「イオンタウン富雄南」内の「スーパーマルナカ」(奈良市石木町、TEL 0742-52-3737)くつろぎスペースで展示されている。

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 同スペースは買い物客らが休憩する目的で設置されたものだが、コロナ禍により椅子を取り払っていた。申し訳なく活用が悩ましいスペースだったというスーパー側は密にならずにできる地域貢献で今回の展示を歓迎したという。

 同小学校は例年4年生になると「2分の1成人式」として、育ててもらった感謝や思いを述べる会を親や地域の人を招き行ってきた。昨年度はコロナ禍の状況を受け、会を開催するのではなく「学びの発表」を新聞にして、ためになる情報を発信することで成長も感じてもらいたいと考えたという。

 「共に生きる福祉」をテーマに、昨年の4年生が3学期に取り組んだ福祉学習でパラリンピック競技でもある「ボッチャ」や車いす体験で得たこと、ノンステップバス、点字ブロックの工夫などを取り上げた。それぞれが気になったことをさらに探求できるように市から全児童に貸与されているタブレットを活用し調べ、それぞれが手書きの壁新聞に仕上げた。

 「ボッチャ」はさまざまな障がいに合わせた用具を使うことで参加できる競技であることや、「聴覚障がいの人への話しかけ方」など、「共に生きる福祉」のための情報にイラスト・クイズ・カラフルな見出しを盛り込み興味を引く工夫が見られる。自分たちの思いや考え、これから実行していくことも書いている。

 当初は校内で公開していたが、見た児童からの感想やアンケート内容を受け「福祉のことをもっと多くの人に知ってもらいたい」という声が児童から上がり、教諭をはじめ富雄南地区社会福祉協議会などが協力して、地域の人が気軽に利用するスーパーでの展示にこぎ着けた。

 制作した児童は「調べることで勉強になったし、すごく楽しかった」と話し、当時の担任は「子どもたちはこの体験を通して大きく成長した」と振り返る。展示を見た男性は「本当によく調べていてとても参考になる内容。子どもたちの成長が感じられ将来が楽しみ。未来に希望が持てる」と話す。

 同スーパーの営業時間(7時~24時)内に自由に見ることができる。展示期間は5月31日まで。

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