一般社団法人「坂口紀代美記念館」(奈良市杉ケ町)は1月10日、奈良市中部公民館(奈良市上三条町)で尾田栄章(ひであき)さんの講演「行基と長屋王の時代」を開催する。
この講演はドイツ、ルクセンブルグを中心に国際的に活動する彫刻家・坂口紀代美さんが理事長を務める同記念館が文化活動として行う。1300年前の奈良で、水資源開発や東大寺大仏・毘盧遮那(びるしゃな)仏の建立に心身をささげた僧、行基について話す。
尾田さんは1941(昭和16)年福井県生まれ、奈良県育ち。京都大学大学院工学研究科を修了し、建設省に入省。河川管理の目的に「河川環境の整備と保全」を加え、住民参加を求める河川法改正に河川局長として携わった。退官後は第3回世界水フォーラム事務局長などを歴任。ふたをされた河川の再生を目指すNPO法人「渋谷川ルネッサンス」を立ち上げ、人と川との関係を広げ深める活動に取り組む。東日本大震災後は、福島県の任期付き職員として被災した広野町で復興支援を行った。
坂口さんは「尾田さんは土木技術者の気概を軸足に多彩な活動を続けてきた人。行基の壮大なプロジェクトが畿内で行われていたことや、長屋王と行基の水にまつわる絆の話など、コロナ禍での新年の私たちの心を大いに癒やしていただけるのでは」と話す。
開催時間は14時~16時。参加費は1,000円。定員は150人(申し込み順)。申し込みは坂口紀代美記念館(TEL 0742-23-2343)まで。