奈良で8月18日、国内外の中学生らがプロの映画スタッフのアドバイスの下、映画作りを1週間体験する「夏休みユース映画制作ワークショップ」が始まった。
主催する「NPO法人 なら国際映画祭」エグゼクティブ・ディレクターで映画監督の河瀬直美さんは「奈良は世界遺産の宝庫であり、そこを舞台に映画製作ができる恵まれた環境。中学生は豊かな感性と自由な発想があり、世界に発信できる可能性を持っている。それらを形にして発表する『場の創出』が同映画祭の役割でもある」と話す。
2回目となる今年は、イギリス・神奈川・奈良などから9人(男子3人・女子6人)が参加した。1週間でロケハン(ロケ地探し)、企画、出演、撮影、編集、試写会を2班に分かれて体験する。
趣旨に賛同する各所の協力により、ならまちの「ホテルサンルート奈良」を拠点に、東大寺・奈良公園・ならまち・きたまちなどで撮影する。
ゲスト講師の映画監督・テレビディレクターの藤元明緒さんのほか、プロカメラマンらが講師を務め、機材・技術サポートを行う。健康管理もスタッフが常に付き添いサポートする。
昨年も参加したという奈良市在住の沖野日向(ひなた)さん(13)は「考えていたことが映像になった時の印象に違いがあることや、制作が思い描いていたように進まないことがある。その時々にいかに対応できるかが大事で、そこに映画制作の面白さを感じたので今年もチャレンジしたいと思い応募した」と話す。
「昨年は班の中で年下だったこともあり受け身だったが、今年は自分から積極的に行動したい。現場ではもっとカメラも担当し、自分が撮った映像が映画に使われている感覚を味わいたい」と意気込む。
「将来の夢はまだ決めていないが、いろいろな体験を通じて可能性を広げていきたい」とも。
日向さんの父は「世界的な映画監督やプロの人たちを間近で感じられる貴重な体験。人としてまた一回り大きくなってきてほしい」と話す。
完成作品は、ならまちセンターで9月16日、「なら国際映画祭プレイベント2019」のプログラムの一つとしてメイキング映像と2作品の上映会を行う。開催時間は14時30分~。入場無料。