近畿日本鉄道は1月下旬、近鉄奈良駅と奈良近鉄ビル(奈良市東向中町)のリニューアル整備に着手した。今回の整備は、来年開催の平城遷都1300年祭、3月20日の阪神なんば線開通を控え、1970(昭和45)年のオープン以来初となる大幅改装となるもの。
同駅地下1階のコンコースの整備では、奈良市内の主要観光地や奈良県内の観光スポットへのアクセス方法などを示す「観光案内ボード」を東改札口付近へ設置するなどし、奈良観光の玄関口としての歓迎ムードを高める。さらに、分かりやすい構内案内や改札口、自動券売機の整備、トイレ改修などを併せて行い利用者の利便性向上を図る。
駅ビルのリニューアルでは、奈良公園方面の東壁はガラスを用いた2重壁に改装。他の外壁も美装する。昼間は明るくクリアな印象になり、夜間ライトアップも行うなど現代風の装いとなる。
また、1階エントランスホールの床と天井を、白を基調に塗り替え、壁面にも工夫を凝らして「古都奈良」らしく落ち着いた雰囲気を演出する。地下1階から地上3階の内装も刷新するが、これまでの観光案内所や「なら奈良館」といった施設、各種テナントはそのまま残り、一部店舗での改装を行う。ビル部分の改装費は約4億9,000万円。
同社秘書広報部の坂本さんは「近鉄奈良駅のランドマーク(象徴)となる駅ビルの東側は、夜間照明などですごくきれいに生まれ変わる。駅内も案内ボードなどで、外国の方にも使いやすく便利な場所になる」と話す。
工事完了は今年10月末を予定する。