便利で役立つ発明品などを紹介する「第7回奈良県アイデアくふう作品展」が1月29日、イトーヨーカドー奈良店(奈良市二条大路南)5階の奈良市美術館で始まった。主催は発明協会奈良県支部、奈良県。
同展は、発明愛好家のユニークな作品や企業の製品など、便利で役立つ発明品などを紹介するもの。一般公募で寄せられた36点を展示、商品化されていない4点を除いた32点を対象に優秀作品の表彰も行う。
展示品は、教育教材用の小型燃料電池や、植物由来プラスチックの発泡体のおもちゃ、太陽電池を使った省スペース菜園「ベランダ菜園ス」など、環境に配慮した作品が多く見られるほか、福祉現場の声を生かした便利グッズなども並ぶ。
知事賞に選ばれたのは「太陽電池・乾電池併用イノシシ撃退器」。夜間に半径20メートル以内に入ったイノシシなどを察知、光と複数箇所からのブザー音の組み合わせで追い払う仕組みで「電池だけで動作する点が面白い。奈良県はイノシシの被害が大きく、地域性にもマッチした」(同協会支部)点が評価されたという。
同作品は、橿原市在住の谷本昭良さんと天理市在住の山中規矩子さんが共同で開発。知人の相談を受けて製作に取り掛かったという谷本さんは「いつも、現実に困っていることを何とかできないかということをテーマに発明を考える。発想は難しくないが、既製品ではないあり合わせの部品を集めて作るのは大変」と振り返る。
併せて、平成20年度の近畿地方発明表彰受賞技術3点、児童生徒発明くふう展入賞作品22点を特別展示するほか、県内3カ所にある少年少女発明クラブの紹介も行う。そのほか、大和郡山市内で活動する「奈良アイデアクラブ」による、明治時代に特許が取られた発明品を再現したミニチュアも展示。
会場を訪れていた奈良市内の私立小学校に通う児童(9)は「ありそうでなかったいろいろなものが見られて良かった。夏休みの宿題などの参考にもしたい」と話す。
開催時間は10時~17時30分。入場無料。2月1日まで。