奈良から初のJリーグ入りを目指す奈良クラブは6月5日、長居陸上競技場(大阪市東住吉区)でアイン食品と対戦し1-1で引き分け、関西サッカーリーグ1部の前半戦を4位で折り返した。
昨年同リーグに初めて参戦したにもかかわらず2部リーグで優勝を果たして1部昇格を決めるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで進化を続ける同クラブ。今年に入ってから、1月にはAC長野パルセイロから大塚靖治選手、京都FCから牧悠二選手、アルテ高崎(JFL)から浜岡寛選手、2月にはFC町田セルビアから李成浩選手、松本山雅FC(JFL)から三本菅崇選手、中央学院大学から眞野勝矢、あすかクラブから橋垣戸伸幸選手、3月には京都FCから岸本博之選手、JAPANサッカーカレッジから岡元一弘選手が同クラブに加入した。
次々と有力な選手が加入しチームのポテンシャルは上がるも、練習場所など決して恵まれた環境とは言えず、グランド使用の抽選に外れるとバスケットコート一つ分の広さの体育館での練習を余儀なくされる。しかし選手は、そうした中でも奈良を盛り上げるためにと強い思いで団結し、更なる上を目指して目標達成のために突き進む。
前期リーグでは、昨年の覇者の三洋電機洲本に0対3で敗れたものの、過去に優勝経験もあるパンディオンセ加古川との対戦では2対0で勝利した。前期7試合を終えたこれまでの結果は3勝1敗3引き分けで勝ち点12。個人では、畑中俊逸選手が5アシストでアシストランキング1位に位置している。
今後の流れが決まる重要な一戦となる後期リーグ戦の開幕試合は今月27日、神戸総合運動公園(神戸市須磨区)で行われ、現在1位の三洋電機洲本と対戦。ホーム戦は橿原公苑陸上競技場(橿原市)で、7月11日にBIWAKO S.C HIRAと、9月12日にバンディオンセ加古川と、それぞれ対戦する。
同クラブの選手兼コーチの矢部次郎さんは「勝ち切れなかった引き分けの試合が3試合あったのが課題」と振り返り、「後期リーグ戦に向けて良い流れができている。次の試合は勝利し優勝への望みをつなぎたい」と意気込む。