奈良市消防局北消防署(奈良市右京)は6月1日、奈良市で住宅用火災警報器の設置が義務化されてから1年がたったことに合わせて、近鉄高の原駅前で通行人に向けて住宅用災警報器の設置を呼びかける啓発活動を行った。
同署の山下光和署長や同消防職員のほか、地元の朱雀地区女性防災クラブの江田法子会長やクラブ員が法被姿で参加し、通行人に「住宅用火災警報器を付けていますか?」などと呼びかけながら、啓発ポスター1,000枚とティッシュ1,000個を一人ひとりに手渡した。
通行人からは「警報器付けています」「(奈良市では義務化されていない)台所にも設置しています」などの声も多く聞かれ、同地区の防火意識の高さをうかがい知ることができた。活動を終えた山下署長は「設置しているとの声の多さに驚いたが、今後も100%の設置を目指して啓発活動を続けていきたい。特に高齢者の家庭などでは逃げ遅れ防止のため、1日も早く設置してもらいたい」と話す。
一般住宅の火災警報器設置は、2004年に消防法が改正されて設置が義務化。奈良市では、2005年に奈良市火災予防条例で設置・管理維持の基準が定められ、新築住宅は2006年6月から、既存住宅は昨年6月1日から火災警報器の設置が完全義務化されている。そうした中、消防署から来たなどと公的機関の職員のフリをして火災警報器を高額で売りつけるような悪徳業者もいるといい、注意を呼びかけている。