奈良の伝説・民話とともに写真紹介-奈良市写真美術館で企画展

4月1日から入江泰吉記念奈良市美術館で始まった写真展「入江泰吉『やまと物語-伝説と民話のふるさとを訪ねて-』」

4月1日から入江泰吉記念奈良市美術館で始まった写真展「入江泰吉『やまと物語-伝説と民話のふるさとを訪ねて-』」

  • 0

  •  

 入江泰吉記念奈良市美術館(奈良市高畑町、TEL 0742-22-9811)で4月1日、写真展「入江泰吉『やまと物語-伝説と民話のふるさとを訪ねて-』」が始まった。展示作品は、カラー写真72点、モノクロ写真38点、うち初公開は38点。79の神話や伝説、民話などとともに紹介している。

[広告]

 奈良県は古くから伝えられてきた神話や伝説、庶民による伝承や民話があらゆる土地に残る。こうした大和の魅力を熟知していた入江氏は「ことさら写欲をそそられる」と胸躍らせ撮影に取り組んだ。同展では、そうした作品を数々の話とともに紹介するもの。作品は、わらしべ長者の舞台になっている桜井市の長谷寺の「しだれ桜」(1984年作)や、神話の天孫降臨の舞台ともされる「高天ヶ原展望」(1975年作)などで、作品横に付けられた説明文が写真を引き立てている。

 三輪山の民話では、「三輪山の古木を伐ると、蛇の体をした神から罰が下されるとされ、かつて付近の村民が密かに木を取って帰ろうとした時に、急に黒雲が湧き立ち四方を包んで1匹の蛇が現れ村民の命を取った」という話が伝えられ「神南日三輪山」(1981年作)では、三輪山に黒雲が立ち込めていて、まさにこの民話を表したかのような写真を展示する。

 入江氏の写真が好きで三重県から初めて訪れたと言う山中久敏さんは「自然をクローズアップしているので、(写真を見て)とても癒やされる」と話していた。

 同館学芸員の説田さんは「奈良を魅力あるものにしている、昔からのいわれや伝説がたくさんあることを知ってもらいたい。作品を通じて感じとってもらい、また、実際現地に行って感じてもらえれば」と話す。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入場料は、一般=500円、高校生・大学生=200円、中学生以下=100円(小・中・高校生は毎週土曜無料)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)。6月28日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース