生駒市在住の榎本孝志さん（36）が5月31日、セントラルサーキット（兵庫県）で開かれるアマチュアの自動車レース「EURO CUP（ユーロカップ）2015 第3戦」に参戦する。

店内にはこれまに手にしたトロフィーが並ぶ

　榎本さんは昨年、同レースのBMW車限定部門「BMWチャレンジ　Bクラス」で総合優勝を果たした。今シーズンも優勝を目指し意欲を燃やしている。

　元自動車教習所指導員という榎本さんは現在、自動車修理・販売会社の「イーグルモーター」（大阪府八尾市）で整備士として働く。2002年からサーキットに通うようになり、国内A級ライセンスを取得した2006年から、日本自動車連盟公認の公式レースに自動車販売店などのサポートを受けながら参戦。結婚を機にレースを引退したが、同社社長の清水稔博さんの勧めもあり再びレーサーとして復帰。2011年から参加を始めたユーロカップで昨年初めて総合優勝の栄冠をつかんだ。

　榎本さんは「レースの楽しさは、非現実的な世界を体感でき、日常生活では味わえない緊張感を得ることができること」と話す。「一番のネックは費用」とも。日本自動車連盟公認のレースに比べ、草レースと言われる同カップは比較的安価で参加できるが、2万2,000円（条件により異なる）の参加費、レースで使用するガソリン代やオイル代など年間約50万円は必要だという。

　「優勝することは社長への恩返し」と榎本さん。費用は会社が負担しているといい、「仕事を頑張ってくれているので、やりたいことをしたらいい」とエールを送る清水社長は「優勝して一番喜んでいるのは僕だけどね」と笑顔を見せる。10年もの間、二人三脚で会社を切り盛りしている師弟愛があってこそだ。

　榎本さんは「願いはかなう。これまでも願いがかなわなかったことはない。何かチャンスがある。今年も優勝し今度のレースにつなげていきたい」と力を込める。