1月26日の「文化財防火デー」に先駆け、奈良市内の3つの消防署が同22日、「消防合同訓練」を平城宮跡・朱雀門(奈良市佐紀町)で実施した。平城遷都1300年祭を控えた平城宮跡を舞台に、総勢約40人の消防隊員らが、水利確保や放水など、真剣な面持ちで本番さながらに消火訓練を行った。
訓練は、歴史と伝統ある貴重な文化遺産を守り、地域住民や観光客への防火思想の普及と防災意識の高揚、消防隊員の防御活動技術の向上を図るもの。
奈良市消防局の南消防署と中央消防署、北消防署のほか、奈良市消防団の都跡分団などが参加。ポンプ車とはしご車が各2台、化学車、指揮車、消防団車両各1台が出動。
多くの観光客が朱雀門の見学に訪れている中、朱雀門北側の枯れ雑草から出火、朱雀門へと延焼拡大したという想定の下、消防隊員・団員らはきびきびした動作で約180メートル離れた池へホース延ばし水を引き、2台のはしご車と化学車、消防団のポンプ車の計4口から一斉に放水して消火した。
訓練を終え、中村輝安南消防署長は「機敏な動きで、連携もスムーズにとれて成功に終わり、良かった」と講評した。