入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町、TEL 0742-22-9811)で現在、色をテーマに入江泰吉作品を展示する「やまといろ」が開かれている。
「古色(こしょく)」で表現している「雪の東大寺南大門」(1975年作)
会場では、風景写真を中心とした87点をテーマ別に展示。「日本の伝統色を見る」と題したコーナーでは、桜色や朱色など日本の伝統色の紹介とともに色に合った作品を紹介。「猩々緋(しょうじょうひ)」では、ススキが真っ赤に染まる「曽爾高原落日」(1974年作)を展示している。
そのほか、かさね色目の配色イメージに合った作品30点や、伝統行事から見る日本の色として6点、加えて1960(昭和35)年ごろからカラー写真を手掛けるようになった入江氏が、きれいに写りすぎるカラー写真で奈良大和路をどのように表現するかを考え編み出した、鮮やかな色を抑制する独特の色彩表現の「古色(こしょく)」の特徴が表れている26点も展示する。
同館学芸員の木村真士さんは「繊細に四季を感じて作品に落とし込んできた入江作品や、日本人の持つ美しい色彩を感じてもらえれば」と話す。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入場料は、一般=500円、高校生・大学生=200円、中学生以下=100円(小・中・高校生は毎週土曜無料)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)。3月27日まで。