「入江泰吉 大和巡礼」シリーズ第4弾始まる-大和路写真の原点も

入江泰吉記念奈良市写真美術館で開催されている「平城遷都1300年記念 入江泰吉 大和巡礼IV-平城京-」

入江泰吉記念奈良市写真美術館で開催されている「平城遷都1300年記念 入江泰吉 大和巡礼IV-平城京-」

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 入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町、TEL 0742-22-9811)で4月1日から、「平城遷都1300年記念 入江泰吉 大和巡礼IV-平城京-」が開かれている。昭和20~30年代の奈良の風景写真や、四季の風景写真、仏像写真など109点を展示する。

入江氏の大和路写真の原点となる「東大寺法華堂の前で疎開先から戻る四天王像」

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 入江泰吉は、1945(昭和20)年に「奈良の文化財がアメリカ軍に持ち去られる」といううわさを聞き、「自分はカメラマンではないか。せめて写真に記録しておこう。それがわたしの使命ではないか」と、仏像を撮り始めた。そのうわさはデマだったが、それが半世紀にわたり奈良大和路の写真を撮り続けるきっかけとなった。展示は、そうした泰吉の写真の原点にも当たる「東大寺法華堂の前で疎開先から戻る四天王像」の写真や、東大寺や春日大社、興福寺などの平城京の外京を中心に平城宮跡の写真のほか、東大寺の大仏を横から撮影した珍しい写真も。

 これに合わせて、記念室では「古都の奈良の風景」と題して、1949(昭和24)年の法隆寺金堂が火災に遭う前の1948(昭和23)年に金堂壁画を模写する人の様子を写した写真や、1937(昭和12)年に盗難に遭い、1943(昭和18)年に東大寺に戻った法華堂の不空羂索観音像宝冠を取り付ける様子を写した貴重な写真も展示する。

 同館学芸委員の説田さんは「入江の大和路の原点を見てもらい、今日の風景を見てもらえれば、いろいろな発見があるのでは」と話す。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入場料は、一般=500円、高校生・大学生=200円、中学生以下=100円(小・中・高生は毎週土曜無料)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)。6月27日まで。

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