奈良交通(奈良市大宮町)は9月24日、国土交通相に乗合バス運賃改正の申請書を提出したと発表した。値上げは認可取得後、今年12月下旬に実施する予定。
申請によると値上げの対象となる区間は、JR・近鉄奈良駅周辺や高の原駅周辺の現行180円均一区間が200円なるほか、現行170円~290円区間と490円区間は10円の値上げ、現行300円~480円区間は20円値上げされる。遠距離利用者に配慮して500円以上の区間は現行通りで、定期券の割引率も変わらない。現行180円均一区間の1カ月定期券では、通勤は200円換算で8,100円から9,000円に、通学に関しては190円で換算され6,120円から6,480円になる。
同社は、これまでに利用実態に応じた適切な運行回数への見直しや、営業所の統廃合、労働条件を見直した人件費の削減、予備車の削減、今年度には14台の中古車両を購入するなどして経費の削減を図ってきたが、今年に入り景気低迷や新型インフルエンザなどの影響で旅客が出控えたことから運送収入が36.7億円と昨年に比べ2.2億円落ち込こんだ。
そうした中、車両の老朽化が進み、安全性の向上や環境負担の軽減を考慮して早急に新造車両に代替する必要に迫られ、高品質な旅客サービスを継続し公共交通機関としての社会的使命を果たすためにやむなく申請に及んだとしている。