奈良交通の人気バスガイドが単行本出版-「笑ってなあかん」モットーに

本を手に笑顔を見せる木島亜里沙さん

本を手に笑顔を見せる木島亜里沙さん

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 9月に単行本「ご指名!古都のバスガイド」(メディアファクトリー)の出版した奈良交通(奈良市新大宮)現役バスガイドの木島亜里沙さん(25)が10月14日、同社会議室で会見を開いた。

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 木島さんは、今年2月にNHKの番組に出演したことをきっかけに人気を集め、同社より出版依頼を受けた。初めは「私でいいのかと思ったが自分の人生経験を生かすことができるなら」と依頼を承諾し、9月19日に発売にこぎ着けた。

 同社には、現在アルバイトも含め約120人のガイドがいるが、普通は年10回以下という指名が、木島さんの場合、地元の団体客を中心に年40以上入るという。中には番組を見て「このガイドさんと旅がしたい」と遠方から訪れる人も。「おもしろいガイドさん」として好評を得ている。

 福岡県出身で歌とおしゃべりが好きな木島さんは、12歳の時に父親を亡くし悲嘆に暮れる母に笑いかけ「元気出さんと」と声を掛け励ました。その後は、母と弟3人で支えあいながら育ち、高校卒業後家族の生活のためにと就職の道を選んだ。

 高校生の時に所属していたテニス部の、顧問の先生の薦めでバスガイドに興味を持ち、制服がかわいいことを理由に奈良交通に入社。卒業式の3日後には奈良でバスガイドの修行を始めていた。

 新人のころは、分厚いガイドテキストを暗記し伝えることに精一杯だったが、入社8年目となる今は、分かりやすいように、聞きやすいように、また飽きさせないようと独自のアレンジを加え、利用客に笑ってもらえるように独自のネタを用意するほどの余裕も。

 現在も毎月実家に仕送りをしている木島さんは、これまでを振り返り、「苦労だとは思っていない。努力だと思っている」と明るく話す。この仕事の醍醐味は、「毎日いろんな人と会うことができることで、バスガイドの仕事がなくなったらやりたいことも思いつかない。これ以上自分にあった仕事はない」とも。

 「人間、笑ってなあかん」がモットーの木島さん。「この本は、これから社会に出る人や、悩みを抱えている人に読んでもらい元気になってほしい」と笑顔を見せた。

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