東大寺(奈良市雑司町)で4月8日、釈迦(しゃか)の誕生を祝う「仏生会(花祭り)」が営まれ、桜満開の境内は多くの参拝者でにぎわった。
参拝者らは、大仏殿前に設置した椿や馬酔木(あせび)で飾った花御堂に安置した銅製の釈迦の誕生仏像に頭から竹の柄杓(ひしゃく)で甘茶を注いだ。
法要は、8時から大仏殿で約30人の僧侶らが散花や読経を行い、甘茶を口にした。その後、参拝者らにも甘茶が振る舞われた。
釈迦は4月8日に生まれ、その時に天から甘露(かんろ)の雨が降ったとされていることから、誕生仏像に甘茶を注ぐ。誕生仏像は、釈迦が生まれると7歩進んで、右手を上げて天を指し、左手を垂下して地を指し「天上天下唯我独尊」と唱えたと言われることからその姿を表したもの。
石川県から訪れた20歳の学生は「奈良に来たのは小学校の修学旅行以来。貴重な体験ができて良かった」と話していた。
同日10時から興福寺の南円堂前でも「仏生会」が営まれ、こちらも外国人観光客などでの参拝者でにぎわった。