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奈良のすし店、高校生が栽培したほうじ茶と赤大根で手まりずし 

「ほうじ茶もなか寿し」「紅白華手鞠」

「ほうじ茶もなか寿し」「紅白華手鞠」

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 持ち帰りすし店を展開する「梅守本店」(奈良市法華寺町、TEL 0742‐34‐5789)が11月、県立山辺高校(奈良市都祁友田町)とコラボした新たな手まりずし2種類を発表した。

茶畑の様子

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 百貨店「高島屋」(大阪市)の企画「次世代を担う高校生が栽培などした食材を使い、おいしくはじめるサステナブルな商品作り」に参加している同店。2年前から農業科などがある県内の高校とのコラボに力を注いできた。今年は同校の「茶」と「赤ダイコン」を使う手まりずし「ほうじ茶もなか寿(す)し」と「紅白華手鞠(まり)」を商品化した。 

 同社専務の梅守節子さんは「ほうじ茶もなか寿しは、ほうじ茶を炊き出して米を炊き、煮黒豆を入れ、すし飯にしてもなかで挟んだ。茶の香ばしさとパリパリのもなかの食感を楽しめる。紅白華手鞠は、バラの花をイメージした、まるで菓子のようで映えるすし」と話す。スライスして酢付けにすると真紅の鮮やかな色が出る赤大根「紅くるり大根」を使用。6、7枚を手作業で1枚ずつ巻いて仕上げユズの皮をあしらった。梅守さんは「紅くるり大根は北海道から取り寄せてきたが、地元で栽培してもらうことでサステナブルな商品作りを目指した」と説明する。

 同校は大和茶の産地として知られる大和高原にあり、生物科学科では茶の栽培や所有する茶工場での製茶も行っている。生徒らは「大和高原の寒暖の差がおいしい茶を育てる。コラボ商品を通して、山辺高校で作っている茶をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」と意気込む。担当教諭らは「生徒たちが精魂込めて作った農作物が、プロの職人さんの手によって商品化されてうれしい」と話す。

 「紅くるり大根」を担当したのは同校山添分校(山辺郡山添村大西)の生徒らで「出荷時期に合わせて種蒔きの時期を早くしたので無事に発芽するかとか、夏の暑さでぐったりしたときに不安になったりしたが、だんだん大きく育ち、先生からも無事に出荷できそうだと言われたときはとてもうれしかった」と笑顔で話す。担当教諭は「約束の時期に出荷できるのか正直不安もあったが、生徒の頑張りもあり無事出荷することができた」と振り返る。

 同店社長の梅守康之さんは「これから販売する商品でも山辺高校とのコラボ計画を進めている。地元の活性化のためにできることのほか、SDGsの観点から未来の奈良を考え、将来を担う若い世代と新たな商品企画にも取り組んでいきたい」と話す。

 コラボ商品2種類は高島屋での限定販売のみ。高島屋ホームページ「ギフト テイスティーデイズ」からオンライン注文できる。「山辺高等学校のほうじ茶と赤大根を用いた手鞠寿し15個詰合せ」(5,400円)にセットしている。12月24日10時まで。

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