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奈良で着物リメークしたマスク 着付け師が文化伝えようと製作

左:着付け師の萩野好永さん
右上:着物をリメークしたマスク
右下:着物(白大島)をリメークしたマスクリーフ

左:着付け師の萩野好永さん 右上:着物をリメークしたマスク 右下:着物(白大島)をリメークしたマスクリーフ

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 着物レンタルショップ「着物あそび にっこり」(奈良市高畑町、TEL 0742-25-0029)で現在、店主で着付け師の萩野好永さんが着物生地を使った「マスク」と「マスクリーフ」を製作している。

着物やじゅばんを染めたポニーフック

 萩野さんは2007(平成19)年、旅行者などが着物で奈良を散策できるようにと、奈良公園やならまちに近い同所に着物レンタルショップをオープン。今年で13年目になる。

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 萩野さんは「店の利用の9割を占める観光客は、着物を着て社寺を巡り桜の下で写真を撮りたいという憧れがある。一方で着物は冠婚葬祭や七五三・成人式など特別な日の衣装という存在になっている。着物は日本の民族衣装であり着付けで日本文化を伝えることを大切にしてきた」と話す。「ところが今年は、コロナ禍により観光客がいなくなり仕事量が激減した」とも。

 全国的なマスク不足に陥った時、友人から「器用だからマスクを手作りしてみては」と後押しされたという。萩野さんはこれまで、仕事柄不要な未着用着物や反物との出合いがあることから、着物生地で羽織やポンチョを作ったり、小物、八掛やじゅばんを染め直し「つまみ細工」で髪飾り、帯でかばんを作ったりしてきた。

 着物は年代物になると模様も色も現代より個性的なものが多く、目を引くマスクが完成した。「正絹で付け心地もいい」と萩野さん。空き時間がたっぷりできたことで製作に没頭できこれまで300枚ほど作った。なじみのお客さまや仕事関係に配り医療用マスクを必要な人に回せるように手作り品でよかったら役立ててもらえればと日頃の感謝を込めてプレゼントした」と振り返る。「珍しい白大島のマスクはその価値を知る人に大変喜ばれた。着物生地のマスクをきっかけに着物にも興味を持ってほしい」とも。

 「一日中マスクを付ける仕事の人は耳がゴムで痛くなる」という悩みを知り、耳にゴムを掛けなくてもいい「マスクリーフ」も作った。バレッタにチェーンを組み合わせ、マスクゴムを引っ掛けると耳に掛けずに済む物で、着物生地で作ったリボンなどもバレッタに付けた。「華やかで品があり洋服にも着物にも合う」と好評を得たという。「着物あそび にっこり」のインスタグラムでも注目を浴び売ってほしいとの声が寄せられ、未着用着物や反物のリサイクルに賛同してくれる人には、それぞれ300~500円ほどの手間賃だけで譲っている。

 萩野さんは「今後は着物生地でエコバックを作る予定。自分ができることで人の役に立てて、着物文化も伝えていけたらうれしいが、本音は本職の着付けで着物文化を世界中に伝えたい。観光客が戻ってくれるのを願っている」と話す。