全国の鹿の写真を撮り続けている神奈川県在住の写真家・石井陽子さんの作品をまとめた写真集「しかしか」(出版元=リトルモア、東京都渋谷区)が現在、海外で話題を集めている。
かつて仕事で奈良を訪れた際、交差点の真ん中に立つ鹿の姿に衝撃を受け、街にすむ鹿を捉えた写真作品の制作活動を2011年から始めたという石井さん。現在も、日本各地で人間の決めた境界線を越えて自由に生きる鹿の姿を追っている。
同写真集では、場所によって有害鳥獣に指定される鹿だが、神の使いとして大切に扱われ観光客にも人気の奈良と宮島の鹿をピックアップ。約4年間掛けて撮影した作品70点を掲載する。
奈良の街に溶け込む鹿の愛らしい姿などを捉え、人が一切写りこんでいないのも特徴の一つ。発売から1カ月余りが過ぎ、「街に鹿がいるのがすごい」と海外メディアでも取り上げられ話題となり、売り上げも好調という。
A5変型、72ページ、オールカラー。1,728円。初版4000部。全国の主要書店や同社ホームページなどで販売している。