平城遷都1300年祭の平城宮跡会場で7月24日、氷室の発祥とされている天理市福住町の氷を貯蔵する「氷室」から約6時間かけ、23キロの道のりを荷車に氷を乗せて同会場の大極殿まで歩いて運び、当時の朝廷への献氷を再現した「平城京献氷祭」が行われた。主催は福住未来(ゆめ)クラブ。
今年2月の保存した30キログラムの氷塊2個を、溶けないようにわらで包み荷車に乗せて、24人のメンバーが古代衣装に身を包み荷車を引いた。一行は6時に出発し、峠なども通って奈良公園、JR奈良駅などを経由し12時に朱雀門に到着。13時に衛士(えし)の護衛を受けながら大極殿に入場し、天平衣装をまとった平城遷都1300年祭記念事業協会事務局の田中敏彦副局長とボランティアスタッフが氷を受け取った。
同クラブのメンバーは「下り坂が辛かった。氷がほとんど溶けてなくてよかった」と話す。
同クラブは、地域振興の一環で1999年に奈良時代に使用されていたとされる氷室跡を復元。毎年、建国記念日に氷を保存し、海の日に取り出しして「氷まつり」を開催している。