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メダカの放流はダメ、野生メダカ絶滅を危惧 近畿大農学部が研究成果発表

ヒメダカ(上)と野生メダカ

ヒメダカ(上)と野生メダカ

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 近畿大学農学部(奈良市中町)は8月3日、野生のメダカと品種改良したヒメダカの生態、行動特性を解明したと発表した。

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 調査したのは、農学部環境管理学科・水圏生態学研究室准教授の北川忠生さんと、同研究室の大学院博士課中尾遼平さん。発表によると、体が黄色く観賞用としても人気が高いヒメダカは放流されるとある程度捕食されるが、生き残ったヒメダカは野生の群れに混じって繁殖していくということが分かった。

 メダカは体色に関係なく産卵、交配相手を選ぶことから、ヒメダカと野生メダカが交配することで、野生メダカの遺伝的多様性が失われてしまうというもの。これまで遺伝子的かく乱の発生のメカニズムは解明されていなかった。

 北川さんは「野生メダカは豊富な遺伝的多様性を持ち、この多様性は将来起こりうる環境の変化にメダカが適応・進化するための可能性を秘めている。ペットショップで購入したり他の場所で採ったメダカを絶対に放流してはいけない。安易な気持ちからの放流が今後も続くと本当の意味での野生メダカが絶滅するかもしれない」と注意を呼び掛ける。

 この研究成果は、米科学誌「Journal of Experimental Zoology Part A(JEZ)」7月1日号に掲載された。

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