奈良市写真美術館(奈良市二条大路南1、TEL 0742-30-1510)で現在、企画展「奈良を観る 絹谷四郎・福川美佐男写真展 ~約半世紀前の奈良町~」が開かれている。
同展は、近代奈良の芸術文化を掘り起こす、または見直すことを目的にさまざまな展示を行う企画展。第1弾となる今回は写真をテーマに、写真から戦後の風景や暮らしの歴史をひも解き、写真の持つ記録性を再認識してもらおうと企画した。
作品は、写真愛好家の故人・絹谷四郎さんと福川美佐男(83)さんの提供による計80点を展示。絹谷さんの作品では、街の日常風景を中心に昭和20年代後半から30年ごろに撮影した写真を展示。中には中日ドラゴンズのキャンプ風景や進駐軍の兵隊などを捉えた写真も。一方、長年にわたり奈良を定点観測している福川さん。今回は、昭和32年~55年ごろの奈良町かいわいを撮影した写真を中心にピックアップしている。
写真はキャプションとともに同館学芸員が撮影した現在の風景も展示する。同館学芸員の説田さんは「2人が捉えた貴重な写真作品から当時の町の表情を知っていただきたい。そして懐かしいだけで終わらせるのではなく、これからのまちづくりや暮らしに生かせるヒントやきっかけになってくれれば」と期待を込める。
開館時間は10時~17時30分。月曜定休。入場料は、一般=100円、16歳未満・高校生は無料。5月25日まで。