入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町、TEL 0742-22-9811)で現在、「没後20年入江泰吉 奈良大和路春夏秋冬」が開かれている。
入江泰吉が奈良市に約8万点のフイルムを寄贈したことを機に開館した同館。入江は同館が開館する3カ月前の1992年1月16日に亡くなったが、開館に合わせて自身が代表作品として100作品を選出して名付けた「奈良大和路春夏秋冬」から58点(風景=44点、仏像=14点)を展示。
加えて、晩年期に精力的に撮影していた花の作品の中で、開館に合わせて選出した100点の自信作「万葉の花」。その中から入江が好きだった花を中心に65点を展示。入江の最後の作品となる奈良公園で撮影された「すすき」(1991年11月撮影)も展示する。
「自然と歴史と、歴史の中に生きた人々のドラマ」が奈良大和路の魅力だと言葉の残している入江。花の中でも野の花を好んで撮影し、きれいに咲いた花を次の年も撮影しに向かうもその花はもう無かった経験から、一期一会の出会いを大切にしていたという。
同館学芸員の説田さんは「風景、仏像もいいが、野の花などにも目を配って見てみると大和路奈良の魅力が隠れていることを入江作品から感じ取っていただければ」と話す。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入場料は、一般=500円、高校生・大学生=200円、中学生以下=100円(小・中・高校生は毎週土曜無料)。6月1日の「写真の日」は入館無料。月曜休館。7月8日まで。毎月第2・4土曜の14時からは学芸員が作品解説を行う。