香芝市在住の坂本浩子さん(22)が飼育する鶏の「ぴーちゃん」が人気を集めている。
「ぴーちゃん」と出掛けると行く先々で人だかりができ、携帯電話のカメラなどで撮影する人が後を絶たない。「幸せを呼ぶ鳥だ」という声も上がるなど、街の人気者になっている。
飼い始めたのは10カ月前。新鮮な卵を毎日食べたいという思いから大阪でひよこ1羽を購入し飼育を始めた坂本さん。当時、鶏に関する知識はなく、インターネットや本などで調べながら愛情いっぱいに育てた。24時間「ぴーちゃん」と行動を共にしたいと、自身がオーナーを務める大阪・難波のラウンジ「ラフォーレ」にも「ぴーちゃん」を連れて行き、店でも人気者に。
餌は、脱穀、豆、トウモロコシ、野菜、豚肉、鶏肉などを栄養バランスが偏らないように与え、週に1回は風呂にも入れるなど、病気などにも細心の注意を払って育ててきた。飼育開始から5カ月目で「ぴーちゃん」の頭からトサカが生えた。この時初めて「ぴーちゃん」が雌ではなく雄だったことに気付く。
坂本さんは「卵を産んでくれる雌だと思い込んで育ててきたが実は雄だったと知ったときは正直驚いた。ただ、そのころはぴーちゃんへの愛情が膨らんでいて、そんなことは気にせずこれからもぴーちゃんと暮らしていこうと決めた」と振り返る。
買い物に行く時には、「ぴーちゃん」は車のボンネットに乗って坂本さんの帰りを待つ。逃げるわけでもなく暴れもせず主人の帰りを待っている。坂本さんが戻ってくると周りに人だかりができる。
そんな「ぴーちゃん」の好きなものは、ヘビを連想されるような「細い物」。目にした途端に興奮して踊り出す。逆に苦手なものは「カラス」で、見ると「おえ~」と言うような鳴き声を上げておびえるという。
坂本さんは「ぴーちゃんには人の純粋な笑顔を引き出す力がある。ぴーちゃんと街を歩いていると、いろいろな人たちのきれいな笑顔に出会うことができる。それがぴーちゃんを飼っていて一番良かったこと」と話し、「ペットというより家族同然。今年の夏はぴーちゃんと海水浴へ行くのが楽しみ」とも。