素浄瑠璃の会「義太夫節」演奏会が7月3日、「Art Hall Timbre(アートホール ティンブレ)」(奈良市富雄元町3)で開催される。
出演は「人形浄瑠璃文楽座」の太夫・豊竹靖太夫さんと、同じく三味線弾き・鶴澤清公さん。演目は「源平布引滝」三段目、九郎助住家の段。木曾義仲誕生にまつわる話と源氏と平家の争いに巻き込まれた一人の女性の物語。粗筋と共に素浄瑠璃という公演形態を解説する。
世界無形文化遺産の人形浄瑠璃文楽は太夫・三味線弾きが演奏する義太夫節に合わせて1体の人形を3人が操る芸能だが、「素浄瑠璃」では人形は使わず義太夫節のみ。太夫の声と太棹(ふとざお)三味線の音色だけで物語を語り伝える。演奏会を主催する「義太夫節を勉強する会」代表の豊竹さんによると、人形浄瑠璃文楽は、能楽や歌舞伎と並ぶ三大古典芸能だが知名度は他よりも劣るといい、コロナ禍もあってホームシアターの国立文楽劇場(大阪市)、国立劇場(東京都千代田区)の公演も観客数が減ってきているという。より多くの人に人形浄瑠璃文楽を知ってもらうため劇場を飛び出して公演する。
豊竹さんは「長唄、清元、常磐津、地唄など邦楽にはさまざまな種類があるが、太夫の声と太棹三味線の迫力は義太夫ならでは。勉強や発表する場をつくるなどして、さまざまなチャレンジに取り組みたい」と話す。`
13時開演。公演時間は約2時間。入場料は2,500円(中学生・高校生は500円)。チケットの購入は「義太夫節を勉強する会」(TEL 050‐3161‐7351)で受け付ける。