奈良ホテル(奈良市高畑町、TEL 0742-24-1151)が11月30日、本館1階に高さ2メートル超の「堀辰雄来館80周年クリスマスツリー Love Letter」を設置した。
メイン飾り「昭和初期ヴィンテージハガキ」とシルバーやゴールドのオーナメント
さまざまな文豪にも利用されてきた同ホテル。「風立ちぬ」「大和路・信濃路」の小説家・堀辰雄は1941(昭和16)年、小説の構想を練るため数回滞在しており、ホテルからほぼ毎日、妻・多恵子にはがきを送っていたという。はがきは軽井沢の堀辰雄記念館に保管され、書簡集「妻への手紙」に内容がまとめられている。
今年は堀の来館80周年になることから、ツリーのテーマは「Love Letter」とした。堀が多恵子に宛てたはがきをイメージしたメイン飾り「昭和初期ヴィンテージハガキ」をはじめ、シルバーとゴールドのオーナメントで装飾している。
期間中、指定のはがきに文章を書いて投函(とうかん)すると無料で郵送できる「Love Letter Box」を設置する。営業企画課の津川あかねさんは「電子メールやSNSでのメッセージのやり取りが多くなった昨今、堀辰雄がはがきに託した妻への愛に思いをはせながら、手書きのぬくもりを大切な人へ届けてみては」とほほ笑む。
12月25日まで。