奈良ホテル(奈良市高畑町、TEL 0742‐24‐3044)が10月29 日、飛鳥時代から続く奈良の郷土料理「飛鳥鍋」がメインの「飛鳥鍋御膳」の提供を館内の日本料理店「花菊」で開始する。聖徳太子1400 年御遠忌を「食」を通して発信しようと企画した。
飛鳥鍋は、鶏肉や野菜を牛乳とだしで煮込んだ奈良県の郷土料理。飛鳥時代に唐から奈良に来た使者が伝えた練乳に似た乳製品を孝徳天皇へ献上したところ大変喜ばれ、乳牛を宮中で飼育するようになったといわれ、当時の皇族の間で人気だった飛鳥鍋は、同時代に活躍した聖徳太子も食べていたと推測できるという。
鍋のベースになるスープには、明治の創業で奈良県では最も古いという牧場「植村牧場」の牛乳を使い和風だしを加えた。鍋に入る鶏肉は大和肉鶏で、深み・うま味を逃がさないようにと一度皮面を焼き上げてから入れる。太子ゆかりの地、斑鳩町の法隆寺や王寺町の達磨寺の魅力も知ってもらおうと、両町の特産品で斑鳩町産の黒米酢・菜種油と王寺町産のオリーブオイルを使用した料理も添える。
同ホテル広報の津川さんは「御膳全体で聖徳太子1400年御遠忌を感じてもらえる内容となっている。飛鳥鍋をきっかけに奈良と太子のつながりを改めて知る旅に出てみては」と呼び掛ける。
御膳を注文した人にはチケット2枚を進呈。チケットは、斑鳩町観光協会で粗品と交換できるほか、達磨寺では王寺町のマスコットキャラクターで聖徳太子の愛犬・雪丸のグッズと交換できる。
営業時間は11時30分~15時。価格は3,500円。12月19日まで。