奈良の大学生と飲食店が「映えメニューを開発するプロジェクト」を中華料理店「チャイナダイニング飛天」(奈良市東向南町)で9月26日に行った。
主催する「編集奈良学生プロジェクト」は奈良の魅力を発信する「編集奈良」の学生プロジェクト。「学生が奈良と自身の大学生活をもっと面白くする」をコンセプトに活動している。
プロジェクトは新型コロナ禍で客が減った飲食店と、交流の機会が無くなった大学生の声から生まれた。公募で集まった奈良に縁のある大学生が双方の問題解決に取り組み、中華料理メニューを考案し販売にも関わる。
当日は大学生5人、同店から主任の灰藤茂祐さん、副料理長の吉岡竜弥さんが参加。応援として同会世話人とOBメンバーも駆け付けた。
奈良女子大学2年・杉堀愛璃さんの進行で、参加者らの自己紹介と同店の紹介が行われた。灰藤さんは「世の中は若い人の力で活性化されるので、若い人が町や店を変えていくのは良いこと。ワクワク感や楽しい思いの詰まったメニューの考案をしていただけるとうれしい」とあいさつした。
どのようなメニューが良いかの話し合いでは「映えるとはどういうことなのか。SNSでの配信の重要性。映えてもおいしくなければ意味が無い」と議論しつつ終始笑顔が絶えない雰囲気で進められた。
「おかずパフェ」「中華風かき氷」など次々にアイデアが出て、最終的に4つのメニューに絞られた。「ゴマ団子タワー」は「全部ゴマ団子にするとカロリーと値段が大変なことになるので表面だけにして中身を考えてはどうか」、「中華アフタヌーンティー」は「何をどう置くか味のトータルバランスを考える。器も映えに重要」、「オムライスではなくて天津飯」は「客席での演出や提供の仕方がポイントになる」、「羽~ギョウザ付き~」は「羽根をメインに味わうアイデアは面白い。羽根の強度にチーズが使えそう」と吉岡さんは感想を述べ「まずは試食会に向けて試行錯誤してみる」と学生たちからアイデアを受け取った。
参加した学生は「ずっとオンラインで打ち合わせや交流会を行っていたので久しぶりにリアルに会えてうれしい。消費者目線では好きなことが言えるが、店側の意見も聞けて気付きが多かった」。初めて参加した学生は「話をしていくうちにどんどん形になって楽しかった。メニューを考える経験ができて勉強になった」と笑顔で話した。
吉岡さんは「価格や固定概念を無視した若い斬新なアイデアが多く楽しかった。実際に作って食べるとイメージとギャップを感じることも出てくるので、何回か試食会を重ね学生らと商品化を目指す」と話し、灰藤さんは「既存メニューもアイデア次第で目新しいものに変えられる気付きがあった。当店のポリシーは『やるからには本気で』なので、とことん良いものを作っていきたい」と思いを込める。
試食会は10月後半を予定している。